不可解な症状・真智視点
???
「ねんねん ころりよ
おころりよ
ぼうやは 良い子だ
ねんねしな
ぼうやの おもりは
どこへ行った~」
心の中での呟き
(揺りかごで時間を気にせずに寝るの気持ちいいなぁ。
あたし、このままずっとこうしていたいなぁ)
目覚まし時計
『ジリリリリ~!!』
「はっ!!
びっくりした!
…………。
また、あたし居眠りしちゃったのかな?」
あたしが今回目が覚めたのは保健室のベッドの上だった。
今回も室内を隅々まで見渡したけど、
目覚まし時計なんて無いし、
いつ寝てしまったのか、どんな夢を見たのかも覚えていない。
「真智ちゃん授業中に突然倒れたから心配したよ~!
具合はどう~?」
「四葉ちゃん、心配かけてごめんね」
「大丈夫~。
私も最近真智ちゃんと同じ様になっちゃうことあるし~」
「最近起こるこの不可解な症状、
あたし達どうしちゃったんだろうね~」
あたしは最近不思議に思うことがある。
それは、最近まで忘れてて覚えていなかった
15年前あたしが生まれた頃の記憶を鮮明に思い出したりすること……。
この体験、実はあたしだけじゃ無い。
谷先生、四葉ちゃん、宙もあたしと同じような症状に陥っているらしい。
この原因がなんなのか、それを探るのが今回のお話。
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↑【登場人物】
•真智《まち》
•四葉
※主要登場人物について詳しく知りたいかたは
エピローグの後『*主な登場人物 まとめ*』
をお読みください。
TIPS 納屋の骨・真智視点 ※←けっこうマミってます
これはあたしに一番最近起きた追憶。
「真智たんよそうよ~」
「ム! イワンのよわむし!
あんたってこんじょう無ちね。
それでもあんた男の子なの?」
「だちて……」
「メ! だちてじゃない!」
「ヘイよりおくはさわっちゃだめって
真智ちゃんパパにおこられてたち?
それに……」
「それはそれ。
あたちはその骨のおくをみたいの!」
「ボクこわいよー!!」
「ほ~ら、イワンはただこわいだけなんでちね?」
このときみた記憶のことをざっと説明するとね。
あたしの同学年の幼なじみにイワンって言う気弱な性格の男の子がいたの。
あたしはいつもイワンと一緒に家の近くで合流して学校に行ってたんだけど、
その合流場所がこの記憶の舞台よ。
そしてそこにあったのは道路に面した古くて小さな納屋。
このときあたしの提案になかなかイワンが乗り気じゃなかったのには理由があるの。
それはね、
この納屋にはある特別な秘密があったから。
納屋の周りは隙間の狭いコンクリートの外壁で取り囲まれていたんだけど、あたしとイワンが待ち合わせで立っている場所だけコンクリートが一部壊れてて、そこから外壁の内側の様子が見えていたわけなんだけど……。
「ねえ、真智たん?」
「どちたの、イワン?」
「そこのすきまにもられた土のなかからみえる白《ちろ》いの、骨かな?」
「これのこと?」
「あ~!! 真智たんさわっちゃダメ~!」
あたしはイワンの忠告を聞くことなく
素手ですかさずその骨を広いあげてしまったの。
「この骨、大きいでちね~w」
「ギャア~!!」
「イワンそんなひめいあげてなさけないでちね~w」
「真智たん、やめて~!
みつかったらおこられるよ~!」
あたしは最初は骨を大人の人、例えば父さんとか学校の先生に見せて詳しくしりたいと思ったんだけど、
父さんに見つかったらきっとあたし怒られると思ったから、自分で学校の図書室の本で調べたんだ。
「真智たんどうだった?」
「あれね、ニワトリさんのじゃなかった……」
「ちがうんだ!
でも、もうよそうよ~」
「イワン、きいて!
あれ、きっとネコさんの骨!」
「キ、キャア~!!」
「アハハ、またイワンおどろいてるw」
「真智たんはこわくないの?
ネコの骨とかふちゅ~納屋のすきまにはさまってたりちないよ?」
「ふちゅ~じゃないからあたしみたいの!
ほら、そのおくにも骨あるち」
「真智たんよそうよ~!
ねえってば~!」
「イワンうるちゃい!
う~ん、う~ん。
手がなかなかおくまでととまかないでちね」
あたしは身体を屈ませて、右手をめいいっぱいその塀の一番奥まで突っ込んで骨のある辺りをまさぐったわ。
「真智たんやめて! こわれる!」
「へ?」
『ドバドバドバドバ、ドドドドド』
「わあっ~!」
次の瞬間ね、あたしが手を引き抜く間もなく
盛られてた土が骨もろともあたしの手前になだれ落ちて来たのよ!
「あいたたた」
「真智たん大丈夫?」
「だ、大丈夫」
「ねえ、みてイワン!!」
あたしは起き上がり際に反射的になだれ落ちてきた盛り土のほうを向いたのよ。
そうしたらそこには……、
あたしが図書館で借りた図鑑に載っていた
ネコの頭蓋骨そっくりな骨があったわけ!
「わ、わ、わ」
「ムカッ~!
イワンっ?
ちゃんとこっち見てる?
ねえ?」
「あ、わ、わ、わ、わ……」
「イワン?
ねえイワン?どちたの?」
あたしはイワンが震えながら指差す方向を恐る恐る振り向いてみたの。
するとね……、
そこにあったのは人間の子供のものだと思われる頭蓋骨だった。
・・・・・・
そして、あたしがその頭蓋骨の辺りを見渡すとね、状態のいい胴体の骨も近くに……。
「キャアァァ~!」
流石のあたしも人間の白骨死体は恐ろしくて、
すぐにその場を飛び上がって距離を取ったんだけどね、
そのみた感じ小学生にしては少し大きめな白骨死体にはまるで死後誰かが体に被せたように服が着せられていたわ。
そして、あたし達がその服に縫われた名前をみつけた瞬間、
イワンのほうは立ったまま気絶してた。
一方あたしのほうはと言うと、
そのあまりのグロさに……。
『うっっ、
うおおおぇええええええ~っつ!
びちゃびちゃびちゃびちゃ、
ぴちゃっ、ぴちゃっ』
そう、吐いたところまでは覚えているんだけど……。
そこであたしのそのときの追憶はおしまい。
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【登場人物】
•真智《まち》
• イワン
紹介文
『脳』はな、心で向き合うと観たいもんが視えるよう出来とるんや!
理系女子たちが脳科学や量子力学を使って死後の世界を探るSFコメディ。
※笑い有り感動有りのSFヒューマンファンタジーです。
シリーズ 第二段!!
アホで愉快な科学部理系女達。
今回はなんと『死後の意識』を冒険しちゃいます。
彼女達のとっても小さな場所にあるとっても大きな冒険が今始まる。
りけじょ!のシュールな冒険【II】死後の意識編
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第1話に続きます。
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