#小説を書いてることを伝えた日

家族の場合

　旦那とは出会った時の自己紹介で「小説を書いてます」と言っていた。出会ってから数年、しばらく書かない日々が続いて、社会人の夏休みが急にできた時に再開した。それまでも、「もう書いてないじゃん」なんて、言われていた。

　久しぶりに「小説をまた書いてる」と告げたのはいつだったか、考えてみたけど思い出せない。最初の頃は、隠していたから、寝てる間か、仕事でいない時間に書いていたはず。
　ペンネームまで教えようと思ったのは、2022年のモノコンwebtoon賞大賞をいただいた時だった。
「なんと、私の作品が漫画になります！」
「すごいじゃん！　もう先生じゃん！」
　「どんな内容なの？」と聞かれたけど、異世界ものを読まない旦那に「異世界恋愛だよ」と言ったところで興味を示さなかった。ペンネームも聞かれたら答えようとドキドキしていたのに聞かれたのは、日程やお金になるの？ってことだった。「さては、作品には興味ないな！」と思ったのを覚えてる。
　先月、書籍収録された本が発売された際も、「読む？」と聞いてみた。「ううん、読まない」と断られてしまった。
　読んでよ！　嫁が書いた小説だぞ！　って、SNSでつぶやいた気がする。小説を書く理由でも書いたが、私は旦那に私の作品を一度でいいから面白いと言わせたい。さすがに単著になったら読んでくれるかな、と淡い期待を持ってるが……旦那は、基本作家読みしかしないので、望みは薄い気がする。
　創作しないと生きていけない私と、創作はしない旦那。創作に関しては、分かり合えない夫婦だ。応援はしてくれても、創作についての辛さ、やめられなさとかを、理解はしてくれない。少し苦しい時もあるけど、望みすぎかなともわかってる。
　最近は、私が小説を書いてる時は「静かにする！」と言うようになった。ただ数秒後に話しかけてくるので、「静かにするとは！？」っていつも笑ってるけど。
　

　姉にも、ペンネームは伝えていないが書籍収録の段階で報告をした。姉がきっかけで創作を始めたのだから、と思いつつ。「教えてよ、いっぱい買うよ！」って言われたけど、さすがに恥ずかしくてペンネームは隠しておいた。
　意外に嬉しい反応だったので、もしかしたらいつかはペンネームを伝える日が来るかもしれないな。なんて思ってる。
　

友人の場合

　現在漫画家として活動してる大学時代の友人がいる。たまたま、児童文庫の表紙を描いてるのを見つけたのだ。最初は私だと打ち明けずに、百度ここ愛としてSNSで繋がった。いつか、この子の表紙で出版できたら嬉しいなと思いながら。
　書籍収録が決まり、SNSのDMで少し緊張しながら「はじめまして、実は同級生の◎◎です」と送った。私がいつかその子の表紙で出版できたら嬉しいなと妄想していたと伝えたら、一緒にできたらいいね、と答えてくれたことが嬉しくて、ちょっと泣きそうになった。

報告して驚いた時の話

　ペンネームは打ち明けていないが、報告した時にびっくりしたのは、「名前を使ってくれ」と言われたことだった。しかも、二人。苗字だけでも、名前だけでも！と言われた。「さすがに実在の人間を異世界に飛ばすのは……」と言って断ったけど。
　好意的な反応で嬉しかったが、小説に登場したいは、結構驚きだった。

妄想話

　他にも数人の友人や、数人の会社の人が書いてること自体は知ってるのだが……今、将来の夢として妄想していることが三つある。

　一つはもちろん、旦那に「面白い」と言わせること。

　もう一つもずっと公言してるが、私の作品をスロットにすること。自分の作品のスロットが打ちたい。心の底からずっと願ってる。

　そして、もう一つは、友人の子どもたちに私の作品を送りつけること。最近児童向けに手を出してる理由は、それだ。出産適齢期なのもあり、友人たちの子どもが最近生まれたり、生まれる予定だったりする。友人の子どもたちが、何かに悩んだり、他の世界を知りたくなったときに、私のお話で届けられたらいいな。なんて、日々妄想してる。