本日、11月7日は、勝哉の小説『Herec~一度音楽をやめた奴らが『社会人バンド』を組む話~』に登場するベーシスト・たかのっぽくんのお誕生日!!!!
キャラのお誕生日には誕生日SSを公開して~、お誕生日プレゼントとお誕生日カード作って~、といつもウキウキで1人お祝いモードに入るのですが、ちょっと今回は思い入れが深い子の誕生日だったので、彼についてじっくり振り返ってみようと思い、エッセイを書いてみました。
風穴役として生まれた君のお話
要所要所で思い立ったように話してる内容ではあるのですが、実はたかのっぽくんというキャラは、最初は小説には存在しない子でした。
『Herec』は、サブタイトルにもあるように「音楽をやめた人達」が主役のお話です。
かつて本気でバンドを目指していた4人の少年達が、挫折を味わい、1人だけを音楽の道に残して3人は音楽をやめてしまう。そんな3人が大人になった後に、今の自分達の社会的立場と折り合いをつけながら、たかのっぽくんという新しい仲間も迎えたりなんだりして、バンドをしていく話になっています。
一度やめた好きな事を、"今"できる形で続けていく――、そういうスタイルのお話を書きたかった。
その考えは、実際に原稿を書き上げた今も変わっていません。
ただ、初期設定の時点では、たかのっぽくんを仲間にする過程はありませんでした。
「一度やめた好きな事を、"今"できる形で続けていく」を書くのに、新キャラを増やす必要性はないと思っていたので。
ただ、「物語」としてお話の展開を考えた時、「今いるメンバーだけではダメだ」と思い直しました。
というのも、今物語の中心になってる「音楽をやめた3人」だけでは、物語内で起こる問題への解決の一步を踏み出すのが、難しいように感じたんです。
彼らは過去に一度挫折を味わっていて、自分達にバンドでやっていけるほどの才能がない事を知っています。
だからこそ、社会的立場と上手く折り合いをつけながらバンド活動ができている大人なわけですが、しかし逆に言えば、だからこそ自分達の限界・引き際がわかってしまう、何か壁にぶつかった時に「自分達にはこれ以上は無理だから」と諦めてしまう人間でもある。
しかも、お互いにお互いの内情をよく知ってる、いわゆる「身内」同士なので、たとえこれで何も解決できないとわかっていても、仲間の心情を考えて一步踏み出す事に怯えてしまう。
これじゃあ、物語は動かない。
小説である以上、これがお話である以上、そしてエンタメというジャンルで書く以上、この壁を超える何かが必要だと思いました。
そこで生み出したのが、たかのっぽくんでした。
3人とはまったく関係ない第三者であるたかのっぽくんをいれる事で、身内間でうだうだと溜まっていた淀んだ空気に風穴をあけてもらおうとしたわけです。
それに、新キャラを出すって、それだけでワクワクどきどきする展開じゃないですか。
「お話も面白く転がせて一石二鳥だな」と思い、いれることを即決しました。
最初の思考から手のひら返しすぎワロタ。
ただ、ただ風穴役だけで彼をいれては出オチキャラになってしまう。
そこでもう1つ、彼には役割を持ってもらうことにしました。
もう1つの役割のお話
たかのっぽくんに持たせたもう1つの役割。
それは、本作における「成長枠」です。
本作は、先述したように「一度好きな事をやめた大人達」で話を回していくバンドものとなっています。
主人公も26歳の小学生教師と、「大人」に設定してあります。
このため、たかのっぽくん以外のメンバーには、「音楽面」で成長をする機会がもうありません。
たとえバンドの活動に何か変化が起きたとしても、彼らがバンドマンとして成長する、わかりやすくいえばプロになる、メジャーデビューするといった結果を得ることはありません。
そもそも、彼らにはそうなる気はもう一切ありませんしね。
その上で、どう好き(バンド)を続けていくか、というお話なので。
けれど、成長が一切ない物語というのもどうか。
悪くはないのかもしれないけど、個人的にはもう少しスパイスがある方が好き。
というわけで、まだまだ成長の見込みがありそうな若者・たかのっぽくんにこの「成長枠」を担ってもらうことにしました。
彼なりの悩みを持たせ、大人達とバンドをしていくなかで少しずつ成長・変化をしていくよう作りあげた次第です。
また、現時点で『Herec』は6巻(もしくは5巻)構成で終わらす予定でいるので、全巻通して彼の成長に触れていくつもりでもいます。その成長が時には問題をつれてくる事があれば、誰かの助けになる事もある。そういう風にお話を綴っていきたいなぁ、なんて思っています。
そうやって考えると、『Herec』は「一度好きな事をやめた人達」の話だけではなく、たかのっぽくんというミュージシャンの成長記録を綴ったお話でもあるのかもしれませんね。
最初はどこにもいない存在でしたが、気がつけばとても重要で大事な存在になっていたみたい。
愛され続けておくれ
そういえば、たかのっぽくんに関してびっくりしてるお話がひとつ。
『Herec』を読んでくださった方から感想をもらう際に、たかのっぽくんに関して述べてくださってる者がなんだか多いな、という印象が……。
さらっとしたものから、たかのっぽくんについて熱く語っていただいたものまで。
こころなしか、他メンバーより感想が多い。
まさか、こんなに感想をいただける子になるとは思っていなかったので、本当にびっくりしてます。
やっぱりイケメン設定にしておいたのが強かったのかしら(たぶんそうじゃない)。
なんにせよ、感想をくださった方々はありがとうございます。
たかのっぽくんが生まれた事は間違いじゃなかったんだな、とそう思います。
永遠にいろんな方に愛されるイケメンであっておくれ……。
ちなみに、今このエッセイを執筆しながら[Alexandros]の『月色ホライズン』を聴いてるのですが、こちら、たかのっぽくんの概念イメージソングとなっております(突然の告白)。
『Herec』の1作目を執筆していた時は19-iku-さんの『ハイドアンド・シーク』がイメージに1番近かったのですが、2作目以降のたかのっぽくんについて考え出したあたりから、いつの間にかこの曲をよく聴くようになっていました。
この変化も、これからの彼の成長に伴うもの……、なのか?(苦笑)
でも、執筆中にふいに耳に入ってくる歌詞達が、皆たかのっぽくんのイメージと重なるのも事実なのよね……。
とりあえず、両曲とも素敵な曲なので、よければぜひ聴いてみてくださいなのですわ。
小説を読んで、たかのっぽくんをお好きになってくださった方は特に!
(『ハイドアンド・シーク』だけボカロ曲なので、苦手な方は歌ってみたを聴くのがおすすめかも)
Xにて、『Herec』のイラスト担当の絵師様からもらった、つよつよお誕生日イラスト公開中! よければ、こちらも見てくださいな!/
お誕生日SSも公開中ですわ!!/
▼つよつよお誕生日イラスト
https://x.com/KatuyaMichika/status/1721401508250657049?s=20
▼お誕生日SS
https://x.com/KatuyaMichika/status/1721829936720445714?s=20
好きなものは何度こすってもいいって、架空のばあちゃんが言ってただ。
コメント
@松本佳純
通りすがりのお祝い、ありがとうございます~!😭
嬉しいぃ~!!
たかのっぽくんと彼が出てくる小説には本当に思い入れがあるといいますか、自分の創作人生を大きく変えられた存在だったので、感慨深くなってエッセイを書いてしまいました(笑)
こんな自己満な記事でも、ほっこりしてもらえたならよかったです✨
お祝いのお言葉、本当にありがとうございます!!