モノコン参加2回目の筆者による、モノコン2024参加記録

モノコン参加2回目の筆者による、モノコン2024参加記録

◆はじめに

 昨年、こちらのサイト(以下、ウィノベラボ)を利用し始めたことをきっかけに知ったコンテスト、それがモノコンでした。

 お題に合わせた小説を投稿する、というスタイルが特徴的なmonogatary.comが、まいし夏ごろに主催している一連のコンテスト、それがモノコンです。
 二か月以上の開催期間があり、代わりに部門が七つも設けられていた昨年とは打って変わって今年は短期決戦。一か月の開催期間で、四つの部門に挑まなければなりません。

 もっとも、コンテストの参加はもちろん任意なので、別に全部の部門をコンプリートする必要はありません。しかし昨年コンプリートを達成した以上、今年も挑戦したいなと考えた次第です。さらに今年は、特に二つの部門について、どうしても参加したい理由がありました。

◆コンテスト参加① ith×yama賞

 どうしても参加したかったコンテスト①です。

 今回、アーティスト名を冠した賞が二つ設けられていました。一つがこちら、yamaさんとのコラボコンテスト。受賞作はyamaさんがその小説をモチーフにした楽曲を手掛けてくださるという、いかにもmonogatary.comが得意とするコンテストです。

 なぜこちらに参加したかったかといいますと、yamaさん(と後述するYOASOBI)は、機動戦士ガンダム 水星の魔女のOPテーマを手掛けていたからです。ちょうど直近で見ていたガンダムの、一期OPと二期OPの主題歌アーティストがどちらも今回のモノコンに関わっている。であるならばカクヨムで水星の魔女の感想記事を長々と書き連ねている私が参加しないわけにはいかない。そういう風に思ったのです。

 しかしこちら、もう一つのテーマが難問でした。ithは、結婚指輪の会社さん。そして今回のお題は、ithのコンセプトムービーをもとにしたウエディングソングになる原作小説であること、という極めて狭い内容です。しっかりとストーリーがある(登場人物の名前まで出てくる)コンセプトムービーから、独自性のあるお話を書くのは極めてハードルが高い。おそらくこの点は、他の参加者の方も悩まれた部分でしょう。

 加えて私個人としては、「結婚」を自分事として考えるのが極めて苦手、という面に悩まされました。理由はいろいろと考えられますが、とにかく「結婚」について真剣に考えようとすると、かなりの精神力を持っていかれてしまうのです。とはいえ今回のテーマで作品を書く以上、「結婚」への解釈をするパートは必然的に発生します。正直なところ、非常に苦しみました。
 遅々として筆が進まず、それでも何とか書き上げたのがこちらの作品です。

『未熟な果実』
https://monogatary.com/story/486442

 恋を知らないアオイと、小さいころからコイバナが大好きだったナギのお話です。
 文字通り精魂を削って書いた作品なので、読んでいただけると嬉しいです。
 ちなみに、リョータの友だち目線の作品も書きたかったのですが、時間がなくて諦めました。もうしばらくの間は、結婚について考えることを止めておきます。

◆コンテスト参加② YOASOBIオフィシャルレポーター賞

 どうしても参加したかったコンテスト②です。理由は前述のとおり。しかしこちらは明確に、書きたいテーマがありました。

 お題は「5年以上愛しているもの」。そして受賞者はYOASOBIのライブに招待いただける。双方を考えた際に、決めました。ガンダムで書くしかない、と。

 monogataryユーザーの方であれば、YOASOBIをこのサイトで知ったという方も多いでしょう。しかし、私はmonogatary遅参勢。実はYOASOBIを知るきっかけになったのは、前述した機動戦士ガンダム 水星の魔女のOP曲「祝福」でした。
→とても素晴らしい曲なので、「ガンダムはちょっとハードルが高い……」と思っている方にも是非聞いていただきたいです。

 そして、私がガンダムシリーズにはまるきっかけとなったのは、2007年放送の機動戦士ガンダム00(ダブルオー)です。そこから断続的に見続けていることから、「5年以上愛している」というお題にも合致します。この二つの要素を組み合わせて、三章構成で書き上げました。

 実は、お題①のith×yamaを書き上げたのが8/28。28/31日をお題①に費やしてしまいました。ゆえにお題②~④に割ける時間は極めて短く、当然焦りました。しかしながらお題②に関しては各内容はほとんど頭の中で決まっていたので、書き始めたら早かったです。一万字くらいありますがほぼ一日で書き上げました。

『私とガンダム』
https://monogatary.com/story/486657

◆コンテスト参加③ GOAT×monogatary文学賞

 昨年の「鳴り響け!」の系譜を汲む、一般文芸よりのコンテストです。小学館から新しく出版される文芸誌に寄せる原稿募集、ということで、お題は「手紙の味」。
 個人的には①と②の優先度が極めて高かったので、こちらは時間があれば取り組もうと思っていたのですが、「手紙の味」からいろいろと連想していたら面白いアイデアが生まれてしまい、急遽それなりの熱量を持って取り組む運びとなりました。

 お題から私が連想したのは、東京FMのラジオ番組「SUNDAY'S POST」と、古のバラエティ番組「SMAP×SMAP」。前者は日本郵便がスポンサーとなり、日本各地で活躍しているゲストの方のお話を聞き、最後にゲストの方が、大切な方へ書いたお手紙を読み上げるという番組です。一時期よく聴いており、言葉の力を感じることができるところに魅力を感じていました。
 後者はいわずと知れた(Z世代の方は知らないのかもしれませんが……)トーク×料理×バラエティ番組です。色々なバズりコンテンツが生まれた超有名番組ですが、番組のメインはゲストと中居氏がトークをして、その下でSMAPの他メンバー4人が2ー2に分かれてゲストの好みに合う料理を作る、という内容でした。もちろんキューピーの3分クッキングのように、材料は予め用意されていたのでしょうが、トークの間にあっという間に出来上がる料理を見て、「アイドルにもなると料理もできないといけないのか」と驚いた記憶があります。

 そんな2つのコンテンツを組み合わせると、「手紙の味」というお題に沿ったコンテンツが出来上がるのではないか。そんな発想で書き上げたのが、下記作品です。

 深夜番組で、イケボの若手パティシエがゲストの手紙にまつわるエピソードを聞き出し、それから連想されるチョコレートを作って贈る、という内容。深夜のラジオ番組のパーソナリティーは低音イケボでなければならないのです。そう、JET STREAMのように(この時点で一時期、東京FMのヘビーユーザーであったことがばれますねw)。

 ゲストのトークパートと、パティシエの調理パートを込みで三十分の枠にしたのはちょっと無理があったかもしれないと今になって思いましたが、おそらく素材を用意しておいて、型に入れて固めるだけにしていたのだと己に言い聞かせております。

 かなり時間がない(お題②のアップ日が8/30であったことからお察しください)中で、字数がオーバーしたために削る作業に時間を取られ非常に焦りました。しかし、自分としてはかなり気に入った設定で、オムニバス長編を作れそうな内容でもあったので、いずれ連作短編化しても面白いかもしれないと考えております。

『Post to sweet』
https://monogatary.com/story/487113

◆コンテスト参加④ 空想アニメ賞vol.2

 さあ、大変です。『Post to sweet』をアップした段階で時刻は8/31の12:00を回ったところ。残り二時間弱で、空想アニメに取り掛からなければなりません。

 正直なところ、こちらはあまり力を入れるつもりはありませんでした。昨年実施のvol.1のテイストからして、音楽要素が入った作品のほうが受賞可能性が高いと読んでいましたし、vol.2で登場タレントさんが変わらない以上、音楽系の知識に乏しい私が即興で書いて受賞するのは難しいと考えていました。

 しかし、そんなことを考える以前に時間がありません。ここはとにかく、コンプリートすることだけを目標に据えます。となるとできることはひとつ。そう、空想アニメ賞vol.1の設定を踏襲した続編を書くのです。

 そもそも、vol.1のお題が「まだ見ぬ青を探して」。vol.2のお題が「青藍の空に叫ぶ」と、どちらもテーマに「青」が入っています。となると、vol.1から話が続いていてもおかしくはありません。私が昨年のモノコンで書いたお話も、「青」を見つけることを目標にした少女たちを描いていましたので、今回はようやく「青」を見つけた少女たちについて描くことにしました。

 和風×変身少女ものという設定とキャラクターはそのままに、話数がいくつか進んでいる前提でお話を書きました。vol.1が第1話とするならば、vol.2は第7話くらいを想定しています。ですのでメインキャラクター四人の関係性がどういう経緯でどう変化したのか、四人がどういうポジションにおさまっているのか等の説明は割愛しました。とにかく、物語を前に進めることだけを考えて筆を進めました。

 反省点を挙げるとするならば、空想「アニメ」ということで動きのある画を意識して書いた前回に比べ、今回は会話パートが多く画の変化が乏しかったなと感じています。
 そして、そもそも間に合っていません(←だめですね)。一応、〆切期限内にあらすじとタイトルと、〆切ギリギリの時点で書きあがっていた部分までをアップしていたのですが、9/5に納得のいく部分まで追記して更新しました。この場合、monogatary側の判定がどうなるのかが謎です。

 カクヨムコンの場合は、「〆切後に加筆・修正することは可能だが、その部分は選考のときに考慮されない」と明記されているので、そのパターンであるならば一応参加資格は得られていることになります。しかし、「〆切後に更新した作品は選考の対象外」になるのであれば、そもそも「モノコンコンプリート達成ならず」ということになります。どちらになるのかは極めて微妙なところです。空想アニメ賞は字数制限がないため、〆切後に続きを書く人がいてもおかしくありません。そういう意味でも、〆切後の更新分がどういう扱いを受けるのかは、気になるところです。

◆全体を通しての所感

 というわけで(空想アニメ賞が間に合ったといっていいかは微妙ですが)、今年も何とか4つの部門に作品を投稿することができました。
 今回の最大の反省点は、なんといってもith×yamaに時間をかけすぎたことですね。これは絶対に応募したいと思っていたので一番手で取りかかったのですが、一番の難敵でした。空想アニメと同時並行で執筆しておけば、もう少しスケジュールに余裕が持てたかもしれません。

 それにしても私の結婚アレルギーが、フィクションの場でも適用されるとは思ってもみませんでした。婚約破棄モノは普通に読めるんですけどね……それは「破棄」しているからか(自己解決)。そういえば結婚生活をポジティブに描いている、現代ものの作品を読んだ記憶がありません。無意識に避けている可能性があります。

 私が小説コンテストに参加する理由のひとつに、「自分の得手/不得手のジャンルを見つけるため」というものがあります。今回でいうと、現代結婚ものは不得手というか、執筆にかかるコストが極めて大きいということがわかりました。
 あまりにも精神的負荷が大きいので、今後自ら現代結婚ものの作品を書くことは無い気がします。もしまた私が現代結婚ものを書くことがあるとするならば、私が結婚という概念に抱いているストレスが緩和されたときか、あるいは今回のように魅力的なコンテストのテーマに据えられているときかの二択になりそうです。早く前者になってほしいというのが、個人的な願いです。

 そして、結果的にあまり時間をさけなかったGOATで、わりあい気に入った設定の作品を書くことができたのは個人的な収穫です。このシリーズを連作短編にすることを、中長期的な脳内のtodoリストに書いておこうと思います。

 YOASOBIオフィシャルサポーター賞は、結構狙っているので受賞したら嬉しいです。

 それにしても、さすがに一か月でお題4つは厳しかったです。私はith×yamaに時間を取られすぎですが、そうでなくても一週間体調を崩したり、仕事が繁忙期だったりした方はコンプリートは難しかったのではないかと思います。
 もうちょっと期間を長くして、長短いろいろな形式のお題が設けられているほうがmonogataryっぽい気もします。今後のモノコンの進化に期待です。

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コメント

  1. 粟生深泥 粟生深泥

    モノコンお疲れ様でした!
    モノコン全体を通して以下のルールになっていますので、空想アニメも審査対象に入ってると思いますよ!

    ・「物語」は応募時に完結している必要はありませんが、「優秀作品」(下述)以降の審査時には完結している作品を優先して審査いたします。
    ・ 締切後に作品の編集をおこなった場合においても、締切時点での内容にて審査を実施いたします。

  2. 水涸 木犀 水涸 木犀

    @粟生深泥
    お疲れ様でした!

    〆切時点での内容で審査してもらえるのですね……! 見落としておりました💦
    (monogatary使い慣れていないのが出ていますね……)

    それにしても、空想アニメはその性質上、完結にしていない人も多そうですが
    選考の優先度が下がってしまうのですね……

    教えてくださり、ありがとうございます!

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