加納朋子『ななつのこ』
加納朋子『ななつのこ』(創元推理文庫より)
短大生の駒子は偶然読んだ童話集『ななつのこ』に感動し、身近で起きた不思議な出来事の話も交え、作者の佐伯綾乃にファンレターを送る。すると、駒子のもとに返事が届いて……。
第3回鮎川哲也賞受賞の『駒子』シリーズ第1作。
駒子の身の回りで起きる出来事の数々が面白く、特に第3話と第6話の内容は繊細で美しい話だと思った。駒子の周囲の人たちも賑やかで楽しかった。作中作『ななつのこ』に込められた意味を考えて、遠い彼方に想いを馳せる。何気ない日常の出来事の向こう側にある深遠な世界を覗いているようなそんな作品だった。
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