ペンギン注意報
「今日の天気は晴れのちゲリラペンギンです」
聞き間違いとしか思えない天気予報が、そんなまさか、当たってしまうとは。
会社帰りの僕の傘には、鋭い雨の音に混ざって降ってきた、ペンギンの黄色い嘴が突き刺さっている。
触ろうとすると激しく動いた。なんだか、威嚇するような、抗議のような鳴き声も聞こえ始めている。そっちが勝手に刺さってきたというのにだ。
「……ゲリラペンギンって言ったよなぁ、確か」
ペンギンの刺さった傘をしっかり握り、次々と降り注ぐ黄色い嘴を避けながら、僕は家へと走った。
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