読了:『黄金の烏』
阿部智里さんの「八咫烏シリーズ」の三作目。
若宮を探偵役、雪哉を参謀役として話が進むという意味では二作目と同じ構図です。
そして、一作目と二作目でも思いましたが、タイトル回収が美しいです。
本シリーズ、続編のほうが世界観が深まり、どんどん面白くなります。
そして私が極めて個人的な理由で衝撃を受けたのが、物語の終盤。
「八咫烏たちが住む山内と、人間が住む世界が〇〇〇〇している」ということが示唆されたシーンです
(ネタバレのため伏字にしています)
これ、私が設定が似ているため(勝手に)悔しい思いをした、自作『鏡の誓い』と同じ設定なのです。
それが理由に八咫烏たちが住む世界が危機に瀕していることも。
それを解決する鍵が強い力を持つ八咫烏であることも。
『鏡の誓い』のweb公開は「八咫烏シリーズ」刊行後ですし、私が本シリーズ未読の状態で
自作を書いたといってもなかなか信用されないかと思いますが
「人形をとる八咫烏が登場する異世界ファンタジー」という舞台設定が共通していた場合、
こうまで設定が似通るものなのかと驚愕した次第です。
あとがきを読む限り、作者の阿部さんは「八咫烏と猿の戦いを書きたかった」と述べており
「思春期の女子中学生の精神的自立を書きたかった」私とは書きたいテーマの方向性がだいぶ違うのが救いです。
しかし、舞台設定に似た部分があるからこそ、自作ももっと世界観をしっかり構築して
話を膨らませることができたのではないかと反省しております。
ここまで書いて、私の作品を読んでみたいと考えてくださる心優しい方がいらっしゃいましたら
是非覗いていただけますと嬉しいです。
『鏡の誓い』
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