読書録その2:雪国/川端康成
ノーベル文学賞を受賞した超超有名な作品です。
『国境の長いトンネルを抜けると雪国であった』という書き出しは、皆さんどこかで一回は聞いたことがあるのではないでしょうか。
自分は書き出しは知っていたのですが、肝心の内容をほぼ知らなかったので、読んでみることにしました。
なにせ75年前の作品なので、出てくる表現や言葉に対して馴染みが薄く、内容を理解するのにだいぶ苦戦しました。
ただ、読んでいて強く感じたのは、日本語の美しさです。
『女の耳の凹凸もはっきりと影をつくるほど月は明るかった。深く射し込んで畳が冷たく青むようであった』
『今日も蜻蛉の群が流れている。夕が近づくにつれ、彼等の遊泳はあわただしく速力を早めてくるようだった』
『熊のように硬く厚い毛皮ならば、人間の官能はよほどちがったものであったにちがいない。人間は薄く滑らかな皮膚を愛し合っているのだ』
『どっと真黒な突風に吹き飛ばされたように、彼女も島村も身を竦めた。貨物列車が轟然と間近を通ったのだ』
個人的に良いなと思った箇所を抜粋しました。
感覚的なものではありますが、自分の胸に刺さった表現です。
こんな感じの素晴らしい表現が本書にはたくさんあります。
あと、ラストシーンなんですが、色んな意味で衝撃的でした。そう着地するのかと言う感じで。
興味がある方は是非読んでみてください。
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