名古屋をこよなく愛する物書きASAYAKEです!
さて、2023年7月〜8月にかけて開催された文芸コンテスト〈コトノハなごや〉。名古屋に住み、名古屋を愛する私にとって、これはぜひ挑戦したい! そう心がそそられるコンテストでした。名古屋を感じられる短編小説を応募し、結果発表を今か今かと待つことおよそ2ヶ月。ありがたいことに──入選20作に、私の作品が選ばれました!!
ハイ拍手! パチパチパチッ
そして、去る1月20日に行われた授賞式。入選した20名のみが出席を許される、とても栄誉ある機会です。金賞・銀賞・佳作の発表、選考員による講評トークが行われたのですが──その中で、新たな発見や感じたことが山ほどありました。
今回は、参加者目線だからこそ書ける記事をご紹介できたら良いなと思います。少し長めですが、どうかお付き合いください。
【1.式が始まるまで〜入賞者発表】
会場は"名古屋能楽堂"という場所でした。同じく今回受賞した創作仲間、Qさん(X ID:@Writer_Qu)と名古屋駅で合流し、地下鉄に乗って会場へ。この日は終日雨だったのでめちゃくちゃ寒かったです。
会場に着くと、受賞者全員にコトノハなごやのパンフレット・ノベルティ・図書カードが配布されました。これだけでも自己肯定感を爆上げしてくれます。そして最前部の壇上に、8つの椅子とスタンドマイク。表紙の写真の風景が目の前に広がっています。式が始まるまで、緊張とワクワクで感情はごちゃ混ぜです。しかし、この待っている時間も、なかなか体験できない貴重な時間でした。
MCの方が登壇し、いよいよ授賞式が開幕。いきなり入賞作品(金賞・銀賞・佳作)の発表です。祈る気持ちで待ち構えます。
果たして、結果は──
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入賞ならず!!
名前は呼ばれませんでした。登壇している前列4名(もう1名いますがこの日は欠席)が入賞者です。
本当におめでとうございます!! パチパチパチッ
最初は、20作に残れただけでも充分嬉しいやと思っていたのですが──いざ入賞できなかったと分かると、思いのほか悔しかったです。1年後、次こそはあの椅子に座ってやろうと強く決意しました。
【2.講評トーク】
さて、入選作品の発表が終わり、次は選考員による講評トークです。こちらは入選20作品すべてに対してコメントを頂けます。
そして3名の選考員が超豪華!
『帰郷』や『僕の殺人』、『名古屋駅西 喫茶ユトリロ』で知られる作家、太田忠司さん。
『リレキショ』や『トリガール!』、『BanG Dream! バンドリ』で知られる作家、中村航さん。
そして、新聞記者・編集者の中村陽子さん。
物書きをしていれば震え上がるほどの著名人ばかり。こんな方々からコメントを頂けるとは──本当に嬉しい限りです。
まずは入賞した5名の講評からスタート。賞に輝いただけあって、やはり絶賛のコメントが多かった印象です。配布されたパンフレットに作品の内容も掲載されており、講評を聞きながら改めて読み返しましたが──どれも秀逸で、さすがのひと言でした。
そして、5名の講評が終わった6番目。さっそく、自分の名前が呼ばれました。自分の作品に対して言葉を貰える、緊張の瞬間です。
太田さんからは、「大須商店街・栄を歩く街並みが見える」「気持ちの高揚が伝わって良い」。
中村航さんからは、「1行目の書き出しで心を掴まれた」「会話からワクワク感が伝わる」。
中村陽子さんからは、「情景が目に浮かぶ」「名古屋にまつわる固有名詞(新雀・矢場とんetc)を取り入れていて良かった」
どれも嬉しい言葉ばかりでした。嬉しすぎて、心の中でニヤニヤが止まりませんでした。
しかし──同時に厳しい意見も頂きました。「書き出しは良かったのに、タイトルがそれと合っていない」。中村航さんからの言葉です。もちろんタイトルは意味を持ってネーミングしたつもりでしたが──読み返してみると、オチとは結びついているものの書き出しとは無関係なタイトル付けでした。そのアンバランスさが、中村航さんの中で減点対象だったみたいです。自分も腑に落ちて、ものすごく勉強になりました。
ですが、そのことに関して「これはどういう意図でタイトルを付けたの?」と、直接質問をしてくれました。それに対して自分の思いを伝えると、「この文はこうした方が良かった」「こうすれば雰囲気が変わるよ」と、アドバイスを頂けました。どれも的を射ていて、プロ目線の貴重な意見でした。本当に本当に、嬉しかったです。
それからは、1人5分ほどのペースで講評が進んでいきました。他人の作品でも、それに対する講評は勉強になるものばかりでした。ちなみに隣に座るQさんは、中村航さんから「入賞まで僅差だった」と言われていて、悔しかった&羨ましかったです。私もあんなコメント欲しい!! 次こそは・・・・・・という気持ちがフツフツと燃え上がりました。
【3.印象に残った言葉・感じた思い】
20名の講評を終えて、印象に残った言葉がいくつかありました。それらを紹介しながら、自分の感じた思いを書いていきたいと思います。
《時間の流れや情景が浮かぶと良い》
王道とも思えるストーリー運びですが、選考員の3名共、ここを評価しているコメントは多かったです。自分も"情景が浮かぶ"という部分では評価していただきました。
視覚でしか情報が無い小説で、いかに読み手の頭の中でイメージを膨らませられるか。書き手の技量が問われる気がしました。例えば、幼少期の記憶を長めに描いた後、『大人になった今でも思い出す』等と表現すればグッと引き込まれますよね。ある意味、小説の醍醐味かなって感じました。
《辻褄が合っていることが大事》
え、そんなの当たり前じゃない? そう感じた方、多いと思います。
ですが、世界観が崩れないというのは、その作品において大きなプラスポイントになります。これは中村陽子さんの言葉です。
たしかに、最近では異世界系のファンタジー小説が増えている分、設定の作り込みは非常に大事になってくると私も思います。最初から最後まで、意図しない部分で疑問を持たれない作品は強い。現代モノを書くことが多い私も、辻褄合わせは大事にしようと思いました。
《意外性のあるどんでん返しより、緩やかに終わる読後感》
これは中村航さんが昨年おっしゃったコメントで、今年も中村陽子さんが同じことをおっしゃっていました。
最後に意外性のあるオチを持ってくる作品や、いわゆる"ざまあ系"のストーリーももちろん面白いですし、私も書きます。ですが、おふたりの言葉の中には、"ストーリーだけに頼りすぎてはいけない"という意図があると私は解釈しています。物書きである以上──描写や表現、言葉遣いで勝負しないといけない。それらとストーリーをバランスよく掛け合わせることで、より良い相乗効果が生まれるんじゃないかと感じました。
《物語に"違和感"や"引っかかり"があると良い》
最後はこの言葉。中村航さん中村陽子さん共におっしゃっていましたが──目からウロコと言うか、ド肝を抜かれました。
「これはどういうことだ?」と読み手に興味を引かせる重要性。あえて不完全な部分を残すことによって、自然と読み進めてしまう魅力が出せることを初めて知りました。全作品の講評の中でも、逆に引っかかりや淀み無く読めて"しまう"作品は、マイナス方向での評価が目立ちました。中村航さんが「ストーリーが綺麗すぎるんだよな〜」と苦い表情で呟いたのは忘れられません。
しかしその一方で、違和感や引っかかりを残したまま終わったり、やり過ぎたりするのも良くないとおっしゃっていました。やはり最後には回収しないとダメですね。このバランス感、本当に難しい・・・・・・。読み手を没頭させるくらいの創作力をつけたいと痛感しました。
【4.最後に】
本当に勉強だらけの充実した一日でした。投稿サイトや公募で創作活動をしていると、どうしても他人の意見を聞く機会が少なくなってしまいます。第三者の意見、それも第一線で活躍されている方々の言葉は、心に染みる内容ばかりでした。今、自分が到達できている地点なんてまだまだ低い。これから先、もっともっと創作して山ほどチャレンジして、さらに技術を磨きたい。そんな気持ちで満たされました。
授賞式が終わった後、Qさんとコーヒーショップに入り創作談義に花を咲かせました。こういう時間も貴重ですよね。楽しい時間はあっという間で、気付けばすぐに夕方。再び名古屋駅に戻り、改札前で解散しました。そして、「来年も必ずまた会いましょう」と誓い合いました。
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ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
コトノハなごや、またチャレンジします。そして、引き続き創作活動に力を入れ、物書きとしてさらにステップアップできるよう精進します。
あぁー楽しかった!!
以上!名古屋大好きASAYAKEでした!!
コメント
興味深くレポ読ませていただきました!
とても貴重な経験をこのような形で共有していただき、ありがとうございます。
嬉しさと悔しさがないまぜになったような日だったんですね。
これから応募する人にも役立つと思いますし、きっと主催者さんたちも嬉しいレポだと思います。
お疲れ様でした!これからの活動も応援しています🐝
貴重な体験でしたね。改めて、おめでとうございます!
仲間と一緒に参加できたっていうのも、うらやましいです!
直接質問、アドバイスなんてすごいですね。
とてもおもしろい&参考になる体験記でした!
ありがとうございます!
ボクまで書いていただいてありがとうございます。まさに、あの場の臨場感が蘇ってきまさした。
ASAYAKEさんのこの記事を読んでくださったら、今年のコトノハなごやで入選する可能性がかなり上がりますね!
オフ会などで他の方に会ったら、よろしくお伝え下さい。ボクの個人情報いくら話してもOKですよ。
@蜂賀三月
蜂賀さん、コメントありがとうございます!
創作意欲が刺激された、とても貴重な一日でした。それ故に皆さんに知ってもらいたい気持ちもありましたし、嬉しい悔しいこの気持ちを忘れないようにしようと思います。ASAYAKEの真骨頂はまだまだこれからです!応援どうかよろしくです。
@ころもち
ころもちさん、コメントありがとうございます!
普段はSNSだけの繋がりでも、同じ目標を目指して一緒に参加できたのは嬉しかったですね。そしてプロの方と直接会話のキャッチボールが出来たのも、貴重な体験でした。自分の体験がこうやって伝えられて良かったです!
@Writer_Q
Qさん、コメントありがとうございます!
一緒に参加できて本当に良かったです!自分もまだまだチャレンジャーですが、今後この記事を参考にしてくれる方が現れたらめちゃくちゃ嬉しいです。
ガンガンQさんの宣伝しておきますね!東海地方の創作を盛り上げるのは俺達だ!!